こんにちは!!八代まほろばかふぇプロジェクト1期のみなとです!
今回お話をお伺いしたのは、八代市のタウンマネージャー、櫻井力助(さくらい・りきすけ)さんです。
「タウンマネージャー」とは、一般的にはまちづくりの専門家として、まちづくりに関連した会社や地域活性化協議会に所属し、都市計画やイベント開催など、商店街振興のためのさまざまな事業を担う人のことです。
櫻井さんは、まちなか活性化協議会に所属されており、中心市街地を軸に八代のために日々働いていらっしゃいます。
なんだか格好いい職業・・・
と思ったそこのあなた!!
取材冒頭、タウンマネージャーのお仕事についてお聞きしたところ、
「メンタル崩壊しそうだよ!!」という衝撃的なお言葉をいただきました。
みなさん!どうやら「タウンマネージャー」という言葉の響きだけに引っ張られてはいけないみたいです!(笑)
格好いいのは肩書きだけで、実際のところは決しておすすめすることはできない職業とのこと。
タウンマネージャーという仕事、そして櫻井さんご自身のことについてたくさん聞いてまいりました!
まちづくりに関わろうと思ったきっかけ
櫻井さんは、生まれも育ちもここ八代。
もともとご実家が洋服屋さんだったそうで、その後を継ぐために19歳のときに八代を出て、千葉と東京で修行をされていました。
それから丁稚奉公で熊本の鶴屋へ行き、八代に戻ってきたのは27歳のとき。
10年近く都会での暮らしを経験されましたが、結局、八代以外では生きていけないと感じたそうです。
見た目、こんなに都会の男風なのに!!(笑)
それは都会が合わなかったとか、嫌いな部分があったとかいうわけではなく、ただ八代が「一番自分に合う場所」だったといいます。
その後、櫻井さんの人生の転機となったのが、2016年に起きた「熊本地震」。
被災によって中心市街地の核店舗がなくなったことや、前任のタウンマネージャーがやめられたことをきっかけに、タウンマネージャーとなることを決意されました。
仕事内容
アーケードで動き回っているところを見かけることが多いですが、タウンマネージャーとして、櫻井さんは日頃どんなお仕事をされているのでしょうか。
まずはソフト面。
毎月第2または第3日曜日に八代本町アーケードでおこなわれる「本町マルシェ」や、毎月第1金曜日にがらっぱ広場で開催される「八代アマチュアナイト!」、今年で10周年を迎えた「アフタースクール」など、多岐にわたるイベントの企画・運営に携わっていらっしゃいます。
今回は、本町マルシェについて詳しくお話を聞いてきました。
本町マルシェの始まりは3年前の5月。これまで計34回開催されています。
行ったことがあるという方も多いのでは。
今年で4年目を迎えられますが、そもそも始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
理由は2つ。
コンスタントな集客の確保と、空き店舗を活用した店舗の誘致のため。
今後の商店街の在り方は、モノを売る場ではなく、人の交流・体験の場。
そのときそのときでテーマやターゲットを変えることで、さまざまな客層がアーケードに来る機会をつくっているそうです。
たしかに、月によって催し物や目玉が異なるため、毎回ちがった楽しみ方ができるイベントになっていますよね♪
企画から運営まで、すべて櫻井さんご自身でおこなっていると聞いて驚きです!
続いてハード面。
空き店舗への誘致や、医療関係の参入による対応や外部との連携などをおこなっていらっしゃいます。
なかでも工夫されているのが、ゾーニングと呼ばれるもの。
ゾーニングとは、都市計画や建築プランなどで、ある空間を用途別に分けて配置すること。
商店街をひとくくりに考えるのではなく、エリアごとに商店街内でのテーマを分けることを意識されています。
たとえば、1丁目は飲食店エリア、それから行政が誘致したIT企業をはじめとするオフィス関係。
2丁目は小売その他商業エリア。
このように、商店街をひとくくりに考えるのではなく、エリアごとに商店街内でのテーマを分けることを意識されています。
武器は自分自身、そのために何事も断らない
仕事をする上で、櫻井さんが日々心がけていること。
それは「何事も断らない」ということ。
この心がけが、より良いまちづくりに繋がっているといいます。
八代の人の良いところは、人柄や人間性。
でも、いくら八代や本町が好きだからって、何かお手伝いをしてくれる人を見つけるのはなかなか大変。
そのため、まちのために協力してくれる人を探すよりは、自分の考えに賛同してくれる人、同じ感性の持ち主をどんどん増やしていくことを考えたほうが現実的かつ効率が良い。
今の状況の中で、商店街は商品だけではとても勝負できない、太刀打ちできない。
だからこそ、商店街にいる人たちの「人間性」が強力な武器になる。
それを生かすために、「自分」そのものをアピールする必要があるそうです。
「櫻井さんと何かしたい。」
と、自分の考えに共感し共に行動してくれる人をこつこつ増やしていく。
そのための1つの方法として、「何事も断らない」ことを大事にしていらっしゃいます。
仕事の誘いはもちろん、飲みの誘いも一切断らない。
そうすることで、材料を多く集めることができるといいます。
材料というのは・・・?
街の活性化は料理そのもの。
材料を集められるだけ集めておけば、あとは組み合わせ方次第で色々な料理ができる。
材料が多いほど、ベストなものをつくることができる。
使うか使わないかは置いといて、あるに越したことはない。
だから、どんな誘いも断らない。
たしかに。どんなに腕がいい料理人でも、材料が十分になければ、つくれるものが限られ、宝の持ち腐れですよね。
若さを武器に
まちに関わる仕事をしている人たちの中で、櫻井さんは最年少。
一番歳が近い人でも10個上。
歳が離れている人たちとの関わりとなると、それなりに舐められることも多いのだとか。
でもそれ以上に、「若さ」というものは武器になる。
若いからできないことよりも、若いからこそできることの方が圧倒的に多い。
たとえば八代の未来を考えるときなど、どうしても無意識のうちに自分の人生のスパンを軸にしてしまいがち。
しかし櫻井さんは若いからこそ、それだけ長い目で八代のことを考え、八代の姿を創造することができるそうです。
一見デメリットのように見えても、こうして強力な武器となる場合もあるのですね!!
おすすめしない職業、それがタウンマネージャー
「休日」という概念は、櫻井さんの生活には存在しません。
休みをもたず、いつでも動く。
その姿勢を見てもらうことで、理解し受け入れてもらいやすいからです。
いやいや!そうは言っても、休みの日が全くないというのは相当仕事のストレスが溜まるのではないでしょうか・・・
答えはYES。(即答)
もちろん溜まる。
だからこの仕事は決しておすすめできるものじゃないし、そもそもタウンマネージャーという職業は本来必要のないもの。
というのも、櫻井さんが今おこなっている仕事は、昔八代に存在した「青年部」に所属する人たちが自然とやっていたこと。
昔と今では青年部の有無もそうだが、商店街としての役割は全く異なる。
基本的に商売というものは、需要があってこその供給。
昔は、人が通るからモノを売る人が生まれ、そこから商店街と呼ばれるものになっていったが、今はちがう。
人通がないのに、供給する場所だけが存在している。
自分は、商店街の人ができなくなった、対応できなくなったことをやっているだけ。
今仕事でやっていることを、商店街が自力でできるようになればそれが理想ではあるが、商店主の高齢化や人員不足から不可能に近い。
だから自分がやるしかない。
なるほど。
商店街の在り方がどんどん変化していく中で、今の商店街だけでは自力で対応していくことが難しい。
だから、タウンマネージャーというかたちでサポートされているのですね。
「意地」を貫き通すのみ
タウンマネージャーにとって欠かせないのが、商店街との関わり。
そこでの人間関係を良好に継続させることこそ、商店街活性化の肝であり、苦労も生まれやすい部分。
その他にも数えきれないほどの苦労や困難があるみたいですが、それでも櫻井さんがタウンマネージャーを続けられる理由。
それは、意地。
仕事を受けた以上は全うしたい。
もともと自分は負けず嫌いで、ハードルが高い方がやりがいがある。
うまくやるしかない!!
この強い意地こそ、今の櫻井さんの原動力になっているのですね・・・!!
さてここからは、櫻井さんの幼少期に遡りつつ、櫻井さんご自身のことについて深掘りしていきたいと思います。
親父そのものになりたい
小さい頃の櫻井さんって全く想像がつかないのですが、一体どんな子どもだったのでしょうか。
櫻井さん曰く、普通の子供だったそうです・・・
え?本当に普通でした?(失礼)
性格を一言で表すなら、超負けず嫌い。
たしかに、先ほどお話いただいた仕事に対する「意地」の部分とも繋がっている気がします!!
また、櫻井さんといえば「歌うたい」のイメージがありますが、もともとはお父様の影響で音楽活動も始められたのだとか。
よく八代の音楽イベントでお父様の曲を演奏していらっしゃいますが、ご自身で作詞・作曲はなさらないのでしょうか。
しない。これまた即答。
理由をお聞きしたところ、もう既に良い曲があるのだから作る必要がないのだそう。
なんですかこの素敵な話は!心の中グサッと突き刺さったんですが!!
まんまお父さんになりたい。
と、話す櫻井さん。
音楽活動をされている理由・原点はここにあったのですね。
幼少期からの性格、お父様の存在、熊本地震・・・
色々なものが影響し合って、現在の櫻井さんに至るということが分かりました。
大事なのは「行動力」
最後に、タウンマネージャーにとって一番大切なことは何かお聞きしました。
状況を変えるために何か行動するには、何かを切り捨てなければならない。
学習はするし、改善することはあるけど、自分の考え自体は基本的に変えない。
良いアイデアや的確なアドバイスも、行動しなければ形にならない。
動くことが何より大事。
「自分の考えに責任を持ち、行動する」。
これが、櫻井さんのもつ「意地」の最骨頂だと感じます。
私が取材前から感じていた櫻井さんに対する印象は、「常に動いている人」。
あながち、というかほぼ間違いなく、櫻井さんの実際の行動から生み出されたイメージだったのですね・・・(笑)
取材を終えて
今回私は、「ありのままのリアルな中身を書く!!」を目標に記事を書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか。
好きじゃなかったら絶対に続かないタフな職業。
そんなタウンマネージャーとして、今後さらに「新しい商店街のカタチ」をつくっていかれることと思います!
大変貴重なお話、ありがとうございました!!
※この記事はご本人へのインタビューをもとに作成しております。
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